2人のアメリカン


プレデターとの戦いで死んだと思われたカート・アングルだが、
実はちゃっかり生きていたのである。
だが観客は彼を称える事はなく、むしろノコノコ生還して
言い訳をまくしたてた挙句「自分に敬意を示せ」と吐きまくる彼にブーイングを浴びせた。

結局プレデターと戦う前よりも不人気になってしまったのである。


そんなある日の事である。


カート(以後KA)「まったく観客の程度の低さにはホトホト呆れるね。
五輪金メダリストで世界の危機を救った英雄である僕に
少しも敬意を示さないなんて。ブツブツ」

?「君、お取り込み中すまないがちょっといいかね?」
KA「んー何だい、僕は今忙し・・・・・・」






ドオォォォオオン







KA「おいおい何だい君のその格好。もしかして僕のファンかい?
嬉しいけど僕のコスプレをする時は事前にちゃんと
許可を取ってもらわないと困るね。
まず僕のエージェントに連絡してくれ。
それから肖像権の問題がある。
言っとくがかなり高額だぞ。何たって僕はスーパースターで
英雄だからね。
それからそのブサイクなマスクはいただけないな〜。僕は
そんなマスクした事はないぞ。」

?「・・・・やれやれ、成る程な」

KA「ん・ん・んー?何か文句でもあるのかい?」

キャプテン・アメリカ(以後CAP)
「私はスーパーヒーロー、キャプテンアメリカだ。
実は君がプレデターを倒した英雄だという事で
いろいろ調べさせてもらったんだが、どうも君は
評判が悪いようなんでね、実際に合ってみる事にしたんだが
・・・・噂通りの男のようだな。」

KA「おいおい、君がスーパーヒーローだって?
しかも何か偉ぶった態度とっちゃって何様のつもりさ!
君もアレか!世界王座をぶん取ろうって魂胆なんだね?」

CAP「アメリカに住んでいながら私の事を知らないとは・・・
どうやら移民局に電話をした方がよさそうだな」


KA「やれやれ自分を超有名人だとお思いで?
そんなヤツに大したヤツはいないもんさ。
所詮君もただのコスプレ野郎ってことさ。
悪いけどもう失礼させてもらうよ。この後サイン会があるんでね」

CAP「あ、こら待ちたまえ!」
CAP「まだ話は終わってないぞ!ますます怪しいヤツ!
ちょっと移民局に連絡を取るから!」

KA「むーーー!しつこいなぁーー!!」





KA「五輪パーンチ!」

バチコーーーーン

CAP「おぶしっ!




KA「続いて五輪キーック!!」

CAP「うおおお!いきなりとは卑怯な!やはり君をヒーローと
認める訳にはっ!」

KA「君の許可なんかなくても僕はヒーローさ!
さっきから何だ君は!自惚れ屋め!ヘイャ!ヘイャ!」
KA「ハハハハ!僕に適うヒーローなんてやっぱり
いないのさ!なんてったて僕は、金メダリストで
英雄だからねーー!!」
ゲシゲシ!

?「おいたが過ぎるぜお坊っちゃん」



 ヴァンダミネーターー!


!!バカーーーーン!!

KA「きゃぺー!!」





ロブ・ヴァン・ダム(以後RVD)
「大丈夫かいキャップ。あいつは姑息な手段が得意な
勘違い英雄野郎なんだぜ?ちょっと調査不足だったようだな」

CAP「危ういところをありがとう!君こそホンモノのヒーローだ。」

RVD「よせよ、照れるだろ。オレはただアイツに世界王座挑戦権
を奪われた借りを返しにきただけさ。」

KA「アイヘイチュー!!これでも喰らえ!」

RVD「うお!」

KA「いつもオイシイところばかりもっていっちゃってさ!
僕はお前が大ッ嫌いなんだ!」

CAP「君も懲りない男だな!」
バカン!!

KA「あべば!盾で殴るなんて!
気がつけばまたハードコア戦じゃないか!ビンスめー!!」
CAP「粛正!粛正!ヒーローを名乗るならまずスピリットを
改めたまえ!」

KA「あぶー!トーリーのお尻サワリターイ!」

CAP「本性がこぼれているようだな・・・」


RVD「ならこれで全部吐き出してスッキリしな!」



ファイブスター・フロッグスプラッシュ!



どべっちゃーーーーーーー!!!

KA「ぐえええぶす!」







CAP「我らの勝利だ!勝ちどきを挙げん!」
RVD「アール・ヴィー・ディー!アール・ヴィー・ディー!」







KA「くそー向こうがその気ならこっちにだって考えがあるんだもんね!」



KA「凶器がOKならこれも問題ナシだね☆」

パーン!パーン!



KA「WAOOO!大逆転勝利!
僕は試合運びも上手いことで有名なのさ!」


KA「安心しな!これはスタンピストルだから死にはしないさ!
もっとも今度の世界王座戦まで痛みで動けないだろうけどね。」







とうとう銃器に手をだしたカート・アングル
彼は気付いていない。自分が英雄どころが人類の脅威になりつつある事を。
果たして永遠のクソガキ、カート・アングルを止められる者は
現れるのだろうか。


つづく



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